石井ゆかりの星占い「2025年下半期、星はどう動く?」

石井ゆかりの星占い「2025年下半期、星はどう動く?」

2025年下半期に注目すべき星の動きについて、「石井ゆかりの星読み」より出張・空模様解説。
天体が織りなすストーリーを優しく翻訳してくれる、石井ゆかりさんのイメージの世界をお楽しみください。

はじめに

こんにちは、石井ゆかりです。
2025年下半期の星の動きからまず、思い浮かぶキーワードは「いったん戻る」です。
新たに進んだ世界から、「一度引き返す」ような動きが強調されているのです。

引き返すときは、過去の世界をもう一度、目にすることになります。
そこで、過去と現在、そして未来の捉え方が変わります。

2025年下半期 全体の空模様

土星と海王星が魚座に引き返す

9月1日に土星が、10月22日に海王星がそれぞれ、春分点をまたいで魚座に戻ります。
海王星は3月、土星は5月にそれぞれ牡羊座に移動していました。

この2星が星座の境目をまたぐ(イングレス)だけでも充分「時代の節目」を感じさせるイベントなのですが、ここでまたぐ魚座と牡羊座の境目、いわゆる「春分点」は、星占い的に非常に重要な基準点、スタートラインのような場所です。時計で言うなら「12」のような位置にあたります。

ホロスコープ1
星々が星座をまたぐ動きが「元旦」のような動きとすれば、春分点をまたぐのは「ミレニアム」のようなイメージの節目と言えます。たとえば世間では色々なことに「何周年」というお祝いをしますが、それに似ています。お誕生日なら毎年来ますが、たとえば「還暦」はレアイベントです。春分点をまたぐという動きは、そうしたレアイベントと言っていいと思います。

牡羊座はスタートの星座であり、闘いの星座です。世界中で紛争、戦争が起こっているさなか、時代を司る星々が「闘いの星座」に入って行くというのは、象意としてなかなか辛いものがあります。

とはいえ、これまでの「闘い」(牡羊座)を、人間理性に基づく責任(土星の機能)と、気高い理想(海王星)に照らして反省し、新しい試みを模索する流れに乗れるとするなら、これほど望ましいことはありません。ここまでの闘い(牡羊座)において非常に重い犠牲(海王星)が払われ、それについて背負うべきものを直視する(土星)ということにスポットライトが当たれば、と祈るばかりです。
装飾1
土星は反省、義務、責任、そして過去を司る星でもあります。自分自身の弱さと闘う時、自分に厳格であろうとするとき、星占いでは「土星を使う」と言われます。

天王星が双子座へ進み、そして牡牛座へ引き返す

7月7日、天王星が双子座へと歩を進めます。そして11月8日に一度牡牛座に戻り、2026年4月に再び双子座に移動して、そこで「移動完了」となります。
天王星は水瓶座の支配星で、双子座に入るとすぐに、水瓶座の冥王星と120度を組みます。この形は破壊力満点、非常に荒ぶる配置と言えます。

ホロスコープ2
冥王星は「破壊と再生」の星、天王星は「革命と改革」の星で、この2星が風の星座で嵐を呼ぶ、といったイメージが浮かぶのです。

水瓶座も、双子座も、ごく広い意味でのコミュニケーションを司る星座です。この2星座の入り口付近の度数で、冥王星と天王星という鉄火な星々が強い確度を組むということで、なにかしら非常にセンセーショナルなニュースが世界を駆け巡る、という感じがあります。
装飾2
もとい、2025年は年明けからすでに、アメリカの関税の問題など、世界を揺るがすニュースに揺さぶられ続けているわけで、受け取る側も少々、「衝撃に慣れる」ような状態になっている気配も感じられます。

おそらく下半期も、国境を大きく越え、様々な社会システムを揺さぶり、場合によってはシステムを根本的に変えてしまうようなニュースに触れることになるのかなと思います。

木星は「記憶の星座」蟹座に

約1年の星の時間を刻む木星は、蟹座に位置しています。来年6月まで滞在します。
木星は蟹座では居心地がいいとされます。いいところが出やすいといわれています。
上記3星の動きはかなり荒ぶった、鉄火な雰囲気をまとっているのですが、この蟹座の木星は対照的に、温かく落ち着いた、「守られる」ムードの配置です。

ホロスコープ3
特に9月末から11月頭は火星が「自宅」の蠍座に位置するのですが、土星と海王星がこのあたりで魚座に戻り、水の星座にゆったりとした三角形ができあがります。
角度がタイトなわけではないのですが、星座の位置関係として「水のグランドトライン」が浮かび上がるこの時期、様々な変革や激動をなんとか受け止め、目の前のベタな現実と接続していこう、という反応が起こるのかなと思います。
ホロスコープ4
現代社会では無視されがちな「感情」ですが、人間にとってもっとも大事なものが「感情」です。感情がなければ、すべての事象に大した意味も価値も生まれません。勝っても負けても無感情、失っても傷つけられても無感情でいられるなら、人生はある意味「どうでもいい」ものとなります。

感情は自分自身のものであるはずなのに、一方で非常に社会的です。感情は模倣され、共有され、増幅されます。感情は他者を巻き込み、あおり立てられます。リアルタイムではそのことを自覚できず、あとになってその感情が収まって初めて、「あのとき、自分は非常に感情的になっていた」とわかります。
装飾3
この時期、そんな「感情」をしっかり生きる必要がありそうです。我に返るのも、我を忘れるのも、どちらも「感情」の作用だからです。自分を見失わないためには、常に自分の感情を生き、自分の感情を見つめ、感情に完全には飲まれ切らないようにする、ということが大事なのだろうと思います。

9月8日に魚座月食、9月22日に乙女座日食

9月8日未明2時頃、日本全国で(晴れれば!)皆既月食が見られます。
星占い的には魚座中ほどで起こる月食で、折しも魚座に戻ったばかりの土星に近く、蟹座の木星と120度の位置関係になります。ミューチュアル・リセプション(互いの支配星を交換するような配置)という形でもあり、非常に印象的です。

ホロスコープ5
護るべきもの、償われるべきものの存在に、強いスポットライトが当たり、そのことが物事の流れを大きく変えるきっかけとなるかもしれません。

9月22日は乙女座で日食が起こります。日本からは見えない部分日食です。
天秤座との境目で起こる日食で、土星と180度を組み、これも非常に印象的な形です。星座の境目付近に土星、海王星、天王星、冥王星が集まっているタイミングで、この22日の食も秋分点付近、とにかくインパクトの強い転換点と言えます。
ホロスコープ6
ここまでに、なにかしら緊張が高まっているような状況、多くの人が緊迫しながら推移を見守っているような状況があれば、このあたりのタイミングでそれが「弾ける」「バクハツする」ような展開もあるかもしれません。
また、色々な物事の流れが、ここで決定的に転換する可能性もあります。たとえばマーケットのトレンドなどがこのあたりを境にハッキリと切り替わる、といった現象も起こるかもしれません。

まとめ

たとえば、生まれて初めての一人暮らしをスタートさせたあと、最初の夏休みに実家に帰ったとき、実家のありがたみが解ったり、過去の生活の真価を再発見させられたりします。
あるいは、今の一人暮らしがどれだけ自由で自分にあっているか、それを再発見する人もいるでしょう。
一時的に過去に遡ることで、過去と現在の価値や意味を捉え直せます。
この経験が、今後長く新しい世界を旅し続ける中で、とても役に立ちます。

装飾4
星の逆行により、一つ手前の星座に一度戻る、という動き自体は、それほどめずらしいものではありません。
ただ、今回は土星、天王星、海王星という3つの大立て者がそろって「ひとつもどる」動きをします。この「3つそろって」が、非常に特徴的です。
この3星は、言わば「時代」を司る星々です。数年から十数年という長い時間を刻む時計の針です。この時計の針が、時代の境目を行きつ戻りつするのです。

いつの時代も「激動の時代」と言われます。
ただ、現代は特に、テクノロジーの変化や社会的価値観の変化が目まぐるしく変化しつつある時間、と認識されています。
数年前には許されていた言動が、今はNGとされます。
少し前に世の中を支えていた固定電話やテレビなどの機器、現金さえも、今は「持っていない人が多い」といった状況になりつつあります。

「ついていけない」という思いを抱いている人たちもいる中で、一時的な「バックラッシュ」「先祖返り」「反動」のようなことが起こる可能性もあります。実際アメリカでは、そんな動きが社会を強く揺さぶっているようです。
あるいはもっと別の「引き返し」がこの時期、起こるのでしょうか。

重要なのはこれが、あくまで一時的なものである、という点です。上記の3星は一度引き返したあと、2026年春にはふたたび新しい星座へと移動を完了します。

日常生活において、押し入れを片付けて不要になったものを捨てようとするとき、私たちはもう一度、かつて使い慣れたアイテムを見つめ直します。「本当にこれを捨てていいのかな?」と考えます。この時期起こる出来事には、たとえば、そんな意味合いがあるのかもしれません。
装飾5
中には「やはり、捨てるのはやめよう」「新たな未来に、これも持っていこう」と判断できる場合もあります。
捨てるか、捨てないか。やめるか、やめないか。
その判断を迫られる場面が、この下半期に何度か、巡ってくるのかもしれません。

2025年下半期 星座別占いのご案内

2025年下半期は、年の中ほどまでに動いた土星、天王星、海王星という大立て者が「いったん戻る」という少々トリッキーな動きを見せる時間です。時間の節目を行ったり来たりしながら、捉え直すべきテーマがいろいろ、ありそうです。

12星座別にその「捉え直し」のポイントを考えてみました。お楽しみ頂ければ嬉しいです!

星座別占いはこちらから

上半期の星の動きをおさらい

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石井ゆかり
いしいゆかり

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。「12星座シリーズ」(WAVE出版)は120万部を超えるベストセラーに。「愛する人に。」(幻冬舎コミックス)、「夢を読む」(白泉社)等、著書多数。累計発行部数は520万部を超える。

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